物理08 浮力の実験

 浮力実験用体を使った浮力の実験です。【浮力実験用体の作り方はこちら】
 ばねはかりを手で持って実験してもよいのですが、ここでは、できるだけ正確に測定できるように、ばねはかりを固定して測定しています。
 上の写真のように割りばしとたこ糸を使ってばねはかりを固定します。これで、安定して測定できます。また、たこ糸を引っ張るだけで、ばねはかりを自由に上げ下げできるようになります。(割りばしとたこ糸を使って支える方法は、小学校で振り子の長さを調節するときによく使われています。)
 なお、自在ばさみに直接たこ糸をはさんで固定すると、ちょっとした油断でばねはかりを下に落としてしまって水槽がひっくり返るということになりますのでおすすめできません。


【準備物】   
ア 浮力実験用体 【浮力実験用体の作り方はこちら】
 [ A 体積約42cm^3 重さ0.8N ] [ B 体積約70cm^3 重さ0.8N ] [ C 体積約70cm^3 重さ1.6N ]
イ ばねはかり 
 「ウチダ 8-615-0233 ばねはかり(ニュートン目盛つき) 200g/2N 3135円」 理科ウチダスで購入
 この実験には2Nのばねはかりが必要です。写真のばねはかりは昔からあるタイプのものですが、指針と目盛りが密着しており、目盛りが読みやすくて使いやすいです。
イ 割りばし
 割りばしを長さ14cm程度にペンチで切る。割り箸は割らずに使用する。(下写真参照)
ウ 純綿水糸(たこ糸) 10号(太さ1.4mm) 
 ばねはかりをつるすのに使用する。割りばしから抜けにくくするため、太めのものを使用する。長さは40cm程度にする。
エ 水糸 ハイカラー水糸
 浮力実験用体をつるすのに使用する。重さが軽く、水に濡れても影響が少ない細めのものを使用する。両側に輪っかを作り、長さは18cm程度にする。
オ 輪ゴム
カ 水を入れる容器 「PET容器 1.4L 100円」 ダイソーで購入
 ペットボトルを切って使用してもよいが、やや安定性に欠けます。 

 


【実験1】 浅いところと深いところで浮力の大きさを比較する。
 (浮力実験用体Aを使って実験した。)[ A 体積約42cm^3 重さ0.8N ]       

空気中での重さ(N) 0.8
浅いところでの重さ(N) 0.38
深いところでの重さ(N) 0.38
浅いところの浮力(N) 0.8-0.38=0.42
深いところの浮力(N) 0.8-0.38=0.42

[結果]浮力の大きさは深さには関係しない。

[下左写真]Aの空気中での重さ=0.8N  [下右写真]Aの水中での重さ=0.38N
 Aにはたらく浮力は、0.8-0.38=0.42Nである。


【実験2】 重さが同じで体積の異なる2つの物体にはたらく浮力の大きさを比較する。 
 (浮力実験用体ABを使って実験する。)[ A 体積約42cm^3 重さ0.8N ][ B 体積約70cm^3 重さ0.8N ]

 
空気中での重さ(N) 0.8 0.8
水中での重さ(N) 0.38 0.1
浮力の大きさ(N) 0.42 0.7

[結果]浮力の大きさは、体積が大きいものほど大きい。

[下左写真]Bの空気中での重さ=0.8N  [下右写真]Bの水中での重さ=0.1N
 Bにはたらく浮力は、0.8-0.1=0.7Nである。


【実験3】体積が同じで重さの異なる2つの物体にはたらく浮力の大きさを比較する。  
 (浮力実験用体BCを使って実験する。)[ B 体積約70cm^3 重さ0.8N ][ C 体積約70cm^3 重さ1.6N ]

  B C
空気中での重さ(N) 0.8 1.6
水中での重さ(N) 0.1 0.9
浮力の大きさ(N) 0.7 0.7

[結果]浮力の大きさは、物体の重さには関係しない。

[下左写真]Cの空気中での重さ=1.6N  [下右写真]Cの水中での重さ=0.9N
 Cにはたらく浮力は、1.6-0.9=0.7Nである。


【まとめ】
 浮力の大きさは、物体の体積が大きいほど大きい。また、水深や物体の重さには関係しない。
 1cm^3の物体にはたらく浮力は約0.01Nである。100cm^3の物体にはたらく浮力は約1Nである。