化学01 ダニエル電池


 新学習指導要領で扱うことになったダニエル電池。セロハンチューブを使ったものが一般的ですが、セロハンチューブはやわらかすぎて扱いにくいのが難点です。そこで、セロハンシートでつくった筒を利用したダニエル電池を作ってみました。


【準備物】 
ア 1mol/L 硫酸銅水溶液
 硫酸銅(II)五水和物 125g(0.5mol)を精製水でうすめて500mLにする。

イ 0.2mol/L 硫酸亜鉛水溶液
 まず、硫酸亜鉛七水和物 144g(0.5mol)を精製水でうすめて500mLにする。(この状態で1mol/L)
 それをさらに水道水で5倍にうすめるて0.2mol/Lにする。
 (ア、イについては1mol/Lの調整済の水溶液も売られているので、それを購入すれば、より簡単です。)

ウ カラーセロファン(透明)
 〔スマートスクール 32cm×44cm 5枚入り 154円〕
 16cm×11cmに切ったものを使用する。 

エ 光電池専用モーター RF-510TN 
 〔スマートスクール 594円〕
 電池の実験で最も大切なのはモーターで、これが回りやすい。
 ただし、RF-510TNは赤や黒の導線が付いておらず、端子がついているだけである。導線をつなぐときは、端子のすぐ横に小さな丸いくぼみがあるほう(表側にも小さなくぼみがある)に赤い導線をつなぐようにする。(一般的なモーターは、赤い導線を電池の+極をつないだとき、正面から見て軸が時計回りに回転するため。)

 

オ プロペラ A 
 〔スマートスクール 10個で1012円〕

カ 金属板セット(25枚入)銅、亜鉛 
 〔スマートスクール 25枚入 各805円〕
 市販されている金属板は長さが4.5cmのものが多いが、これは長さが5cmあるので扱いやすい。また、値段も安い。

キ ダブルバネワイド竿ピンチ(東和産業) 
 〔ドラッグストア コスモス 6個入 198円〕
 モーターの台座として使用する。アマゾンや楽天でも同じものを売っている。

ク バイアルびん 
 〔ウチダス ニューカップバイアルびん 容量50mL 10個入 612円〕
 50mLのビーカーでもよい。100mLビーカーでもできるが、薬品が無駄になる。
 「マルエム ニューカップ 50ml」として、ネットで蓋なしのものを100個入3000円程度で購入することもできる。

ケ みのむし付リード線 
 〔ウチダス みのむし付リード線 8-615-0111 12芯 35cm 赤黒各10本入 4493円〕
 この実験には細くてやわらかい導線が適している。


【実験方法】

1 16×11cmに切ったセロハンを、18×180mmの試験管に巻き付け、巻き終わりの部分を上から下までセロハンテープでとめる。一度にとめようとすると難しいので2、3回に分けてとめたのでよい。

 

2 セロハンを試験管の底から3.5cm出してねじる。次に、ねじったところを折り返してセロハンテープでとめる。そして、試験管を抜くと長さ約8cmのセロハンの筒ができる。
 容器(バイアルびんやビーカー)に入れてみて、ちょうどよい長さにはさみで切る。

 

 

3 はじめに、1mol/L硫酸銅水溶液を、セロハンの筒に入れる。入れる量は、容器の口よりも1cmぐらい下まで。(約9mL必要)
 次に、0.2mol/L硫酸亜鉛水溶液を、硫酸銅水溶液と同じ高さまで容器に入れる。(約40mL必要)
 最後に、硫酸銅水溶液に銅板、硫酸亜鉛水溶液に亜鉛板を入れて、モーターにつなぐ。
 金属板の端を折り曲げておくと、ミノムシクリップが水溶液につかるのを防ぐことができる。

 


【その他の方法】

ア 水やり当番 
 セロハンシートでつくった筒の代わりに「水やり当番」(Mサイズ)という商品の素焼きの筒の部分を使うこともできる。作るのにやや手がかかりますが、一度作ってしまえば何度でも使えます。※水やり当番は理科ウチダスでも購入できます。
 プラスチックの部分は両手で持ってひねると外れる。外れないときはプラスチックの部分を熱湯で温めて、ラジオペンチで引っ張ると外れる。(下図参照)


イ 自動給水器(ハローベア)
 ダイソーで売っている「自動給水器(ハローベア)」の給水部分でもできる。
ただし、素焼きの筒だけを外すのが難しいので、目の細かいのこぎり(金切りのこなど)でプラスチックの部分を切って外す必要があります。


ウ 素焼きの鉢
 ネットで探すと大きさ3cmの素焼きの鉢が見つかります。底の穴をビニールテープでふさいで利用します。ビニールテープは白を使うと硫酸銅水溶液の青色がよく分かります。
 穴の開いていない素焼きの鉢も売っていますが、私がテストしたものは焼きしまっているせいかモーターがうまく回ってくれませんでした。