化学06 カルメ焼き

 


 うまくいかないことが多く、教員を悩ませることが多い実験ですが、ポイントさえしっかり押さえれば、ほとんど失敗なく作ることができます。

 ダウンロード「生徒用プリント」


【実験のポイント】
① 重そう卵は、前もって作らずに、実験の直前に作ります。例えば、3時間目に作るとしたら、2時間目と3時間目の間の空き時間に作ります。
② 作るときの温度については、砂糖水の温度が110℃になったら、お玉をいったん火から離して、 どこまで温度が上がるのかじっくりと様子を見るようにします。火から離してもしばらくは温度が上がり続けます。もし、そのままの状態で125℃に達すれば、重そう卵を入れてかき混ぜるようにします。温度が足りなければ、ちょこちょこ加熱して 125℃で止めるようにします。


【材料】

ア 炭酸水素ナトリウム(重そう)
 白鳥印(西日本食品工業株式会社)を使用しています。
イ 砂糖
 スプーン印の白砂糖を使用しています。三温糖ではうまく作れませんでした。
ウ 卵白


【実験方法】

ア 重そう卵(ふくらし粉)の作り方
 湯呑みに卵白17g(思ったより少量)と炭酸水素ナトリウム約50を入れ、よくかき混ぜる。(かなりかたくなり混ぜにくい) その後、砂糖9gを加えてかき混ぜる。(砂糖を混ぜると柔らかくなって、ソフトクリームのようになる)
 作ってから時間がたつと膨らまないことが多いので、重そう、卵白、砂糖をそれぞれ別に量りとっておき、実験の直前に混ぜるようにする。炭酸水素ナトリウムの箱には、1箱50gとなっているが、実際は52~54g程度入っている。多少の誤差は気にせず、一箱全部使うようにしたのでかまわない。卵白と砂糖は、面倒ですがきちんと計った方がうまくいきます。

 

イ カルメ焼きの作り方

① 白砂糖をお玉に入れる。少なすぎるとうまく行かないことが多いので、お玉の8分目くらいまで入れる。
② お玉に水を少し入れる。白砂糖がひたひたになるぐらい。
③ ガスバーナーで加熱する。(炎はやや小さめにする。)
④ 200℃まで計れる温度計にセロハンテープで割りばしを取り付けて保護したものを作り、砂糖水をゆっくりとかき混ぜながら温度を測る。
⑤ 100℃になったら温度が上がりにくくなる。
⑥ 105℃になったらまた上がり始める。
⑦ 110℃になったらいったん火から離して様子を見る。火から離してもしばらくは温度が上がり続ける。もし、そのままの状態で125℃に達すれば、重そう卵を入れてかき混ぜるようにする。
⑧ 普通は125℃までは上がらないので、温度が125℃で止まるように、ちょこちょこ加熱していく。125℃で作るのがベスト。130℃をこえてしまうと失敗する。
⑨ 125℃になったら、割りばしの先に重そう卵をつけてはげしくかき混ぜる。
(あわてずに砂糖液が落ち着いてからかき混ぜたのでよい。) 
(重そう卵の量はグリンピース2粒ぶんぐらい。) 
(新聞紙を折ったものをなべしき代わりにして、その上でかき混ぜるとやりやすい。)
⑩ 最初は白く泡立つがしだいにおさまってくる。
⑪ かき混ぜていると、少しねばりけが出たために、砂糖液がはしについてきて、お玉の底が一瞬見えるようなときがある。そうなったらやめて様子を見ると膨らんでくる。
⑫ ふくらみはじめたら絶対にはしでつつかない。くずれてしまいます。
⑬ お玉からカルメ焼きをはずす。
 お玉をガスバーナーで15秒間加熱し、カルメ焼きの裏側をとかして、コツンとぶつけてはずします。(100均で購入したまな板立てなどかあるとコツンとぶつけるときに便利)
 また、できたてのカルメ焼きは皿に裏返しに置くようにします。とけた方を下にして置くと、皿にくっつくことがあります。冷えてから表を上にします。
 写真では陶器の皿を使っていますが、キャンプなどで使うアルミの皿が割れないので扱いやすいです。
 ポットのお湯にお玉をつけてきれいにする。上手に作れば、これだけでお玉はぴかぴかの状態に戻るので、次々に作ることができます。(ボタンが壊れてお湯の出なくなったポットなどを捨てずに利用するとよい。)
 お玉に黒い焦げ付きが残った場合は、ナイロンたわし(キクロンやスコッチブライトなど)でこするときれいになります。(スチールウールは後でステンレスの流しがさびたりするので今一です。)

【その他】
ア ガスバーナーがあめで汚れるが、丸型水槽に水を入れて、丸ごとザブンとつけておくときれいになる。
イ 机が汚れるので、机全体に新聞紙をしいてセロハンテープで数カ所止めておくと良い。
ウ 机にあめが着いた時は、ぬれた雑巾などをのせておくときれいになる。
エ お皿などに着いたあめも、無理せずに水につけておくときれいになる。