化学14 ブタンガス(カセットコンロのガス)の液化

 


 ブタンガス(カセットコンロのガス)の液化の実験です。液体のエタノールを気体にする実験は多くの学校でよく行われています。気体のブタンガスを液体にする実験を見せることで、状態変化について、より理解が深まると思います。
 ポリエチレン袋に入れたブタンガスを保冷剤で冷やします。以前はドライアイスで行っていましたが、最近は強力な保冷剤が開発されたため、保冷剤でも可能になりました。
 冷凍庫で冷やした保冷剤ではさむと気体のブタンが液体に変わっていきます。液体になったブタンガスを指で温めると沸騰して気体に変わっていきます。
 【 実験の様子(動画)はこちら 】


【材料・準備物】

 

ブタンガス(カセットコンロのガス) 
「東邦金属工業カセットボンベ シャトル」 この実験では状態変化させる(液体にする)のが目的ですから、安価なボンベを選んだ方がよいです。価格の高いボンベは気温が低いときでも安定して使えるようにノルマルブタン以外にイソブタンが混ざっています。ノルマルブタンの沸点が-0.5℃、イソブタンの沸点は-11.7℃です。

 

保冷剤
 「ロゴス(LOGOS) 保冷剤 氷点下パック GTマイナス16度 ハード 1200g」1,391円 を使用しました。アマゾンで購入しました。普通の保冷剤ではできません。(似たような製品は他にもあるようです。)
 一番大きい1200gのものがよい。25.5×19.5cmの大きさがあります。保冷剤が小さいと大きなポリエチレン袋に対応できません。

 

ポリエチレン袋 
 横26cm、縦38cmのものを使用した。袋が小さいと液体として得られるブタンの量が少ない。しかし、大きすぎると保冷剤からはみ出してしまう。上記の保冷剤との組み合わせではこのくらいの大きさが適当である。


発布ポリスチレンのブロック 5個 
 ダイソー(100均)で購入。かなり冷たいので発砲ポリスチレンのブロックで保冷剤を押さえます。

軍手


【実験方法】
1 ブタンガスをポリエチレン袋に入れる。
 ガスボンベを逆さまにして押すと液体のブタンが出てきます。それをポリエチレン袋に入れて、手で軽く袋の口を閉じておくと、液体のブタンが気体になって袋が膨らんできます。頃合いを見て、ポリエチレン袋の口をしばってしっかりと閉じます。

2 保冷剤ではさむ。
 保冷剤ではさんで冷やします。下に敷くだけではうまく液体になりません。(やり方はこのページの上部のリンク「実験の様子(動画)はこちら」を参照してください。)

 

3 液体のブタンを指で温める。
 液体のブタンを指で温めると沸騰して気体に戻ります。袋を回して生徒一人一人に体験させます。沸騰するときの独特の手応えが指に伝わってきて生徒も喜びます。一つの袋で20人ぐらいの生徒に体験させることができます。


【その他】
ドライアイスを使う
 ドライアイスを使うと保冷剤の時よりも速やかに液体にすることができます。ドライアイスの場合は挟まなくても下に敷くだけで大丈夫です。ただし、手の熱が袋に伝わるとうまく液体になりませんので、軍手を二重にして軽く上から押さえるようにします。ドライアイスはうすく切って板状にしたものを購入すると値段も安くすみます。ドライアイスを扱っている事業所は、電話帳などに載っています。私は葬儀屋さんに教えてもらいました。柿の渋抜きにドラアイアイスを使っている人もいますので、身近なところにも購入先を知っている人がいるかもしれません。
 ドライアイスを購入したらクーラーに保管しておきます。私は、当日の朝に購入していました。事業所に行って購入するのが面倒ですが、最近はドライアイスを見たことがないという生徒も増えてきましたので、ドライアイスを見せることができるという利点もあります。また、机の上を滑らせて摩擦がほとんどないことを見せてやることもできます。