小学校06 水蒸気を袋に集めてみよう(4年生)

 水蒸気をポリエチレン袋などに集める実験です。加熱をやめると袋に集めた水蒸気が水にもどり、再び袋がペちゃんこになります。大変よい実験なのですが、熱のためポリエチレン袋がとけやすいのが欠点です。
 しかし、熱に強いOPP袋を使えば、袋がとけるのを防ぐことができ、繰り返し実験することもできます。また、OPP袋は透明度が高く、この実験にうってつけです。OPP袋は、二軸延伸ポリプロピレンでできた袋で、100均やホームセンター、アマゾンなどで簡単に手に入ります。 


【準備物】

OPP袋 (A5サイズ) 
 「シモジマ ヘイコー 透明 OPP袋 クリスタルパック A5 100枚 S-A5 006740000」アマゾンで購入。100枚で479円。
 100均でも25枚入りのものを売っています。ただし、100均のものは、小さな穴が開いていることがありました。値段もそんなに変わりませんので、できればネットやホームセンターなどで購入する方がよいと思います。

クリップシーラー(または、フードシーラー)
 「クリップシーラー Z-1」4,580円 アマゾンで購入できます。ホームセンターなどでも売っています。
 OPP袋の口を閉じるのに使います。フードシーラー(真空パック機)でもできます が、クリップシーラーは大変使いやすいのでおすすめです。

ビーカー 300mL
ろうと 300mLのビーカーに入るサイズ
ビニールテープ
沸騰石

【実験準備】
 OPP袋は、熱に強いのはいいのですが、カシャカシャしていて、そのままではろうとに取り付けるのが難しいので、下記のようにします。

1 OPP袋の口をクリップシーラーで癒着させて閉じます。温度調節の目盛りは4~5にして、しっかりと癒着させるようにします。フードシーラー(真空パック機)で口を閉じるときは、しっかりと癒着しないときがありますので、その場合は2回連続で加熱するとしっかりと閉じることができます。
 袋の上部をビニールテープでスタンドに取り付けるため、2cm程度の余裕を持たせて閉じています。
2 口を閉じたOPP袋の角(底の部分)をはさみで切ります。穴の大きさは、ろうとの足がやっと入る程度にします。
3 穴にろうとの足を差し込んでビニールテープを巻いて固定します。
4 水の入ったビーカーにろうとを入れて、ろうとの足をスタンドで固定します。ビーカーには沸騰石を忘れずに入れておくようにしましょう。
 OPP袋の先は垂れないようにビニールテープでスタンドにとめておきます。このとき、ふくらんだ時のことを考えて多少余裕を持たせるようにします。
 

(注)ろうとを水に入れると、ろうと内にあった空気がOPP袋に入ってきて、少し膨らんでしまいます。気になる人はシリコンチューブなどをろうとに差し込んでおき、ろうとを水につけた後でシリコンチューブを抜くようにすると、空気が入らないようにすることができます。シリコンチューブは水槽用のものが100均に売っています。

【実験方法】
1 加熱して水が沸騰すると、水蒸気でOPP袋が膨らみます。
2 加熱をやめると水蒸気が水にもどり、袋がしぼんでいきます。袋の内側が水で濡れているのが分かります。
3 OPP袋は熱に強いので、再び過熱して袋を膨らませることもできます。

 



【別法】
 演示実験になりますが、次のような実験もできます。
1 OPP袋にスポイトなどで少量の水を入れてクリップシーラーで口を閉じます。このとき、空気が入らないようにして、できるだけぺちゃんこにしておきます。
2 電子レンジで加熱すると、袋が水蒸気でパンパンに膨らみます。
3 電子レンジから出して児童に見せます。(熱いので軍手などが必要)
4 水蒸気が水に戻り、袋は見る見るうちにしぼんで、ぺちゃんこに戻ります。


【その他】
 中学校では、エタノールの入ったポリエチレン袋にお湯をかけて気体に変える実験があります。OPP袋を使うと、次のような実験もできます。
1 OPP袋にスポイトなどで少量のエタノールを入れてクリップシーラーで口を閉じます。このとき、空気が入らないようにして、できるだけぺちゃんこにしておきます。
2 ホットプレートで加熱すると、袋がエタノールの気体でふくらみます。温度を上げすぎると袋がとけるので、徐々に温度を上げていくようにします。
3 ホットプレートから袋を持ち上げると、エタノールの気体が液体に戻り、袋は見る見るうちにしぼんで、ぺちゃんこに戻ります。