2 酸素


※ 酸素の作り方のポイントは、①5%のオキシドールを使うこと、②実験する少し前に過酸化水素水をうすめること です。
※ 上の写真では安全ろうとを使っていますが、使わなくてもかまいません。


【準備物】
・オキシドール(うすい過酸化水素水)5%  
 3%のオキシドールだとうすすぎるので5%にする。 5%のオキシドールを作るためには、
 ◆ 30%の過酸化水素水の場合 水400mLに過酸化水素水を72mL入れる。
 ◆ 35%の過酸化水素水の場合 水420mLに過酸化水素水を62mL入れる。
 ※ うすめてから時間がたつと酸素が抜けてしまうので、午前中に実験する場合はその日の朝、午後に実験する場合は昼休みにうすめるようにする。
 ※ 一般的にうすい過酸化水素水のことをオキシドールという。濃度がこい過酸化水素水が付着すると、皮膚が白くなり痛む。(薬品による火傷)5%の過酸化水素水は、手についても大丈夫ですが、すぐに手を洗うようにしてください。
・二酸化マンガン(粒状)
 理科ウチダス「二酸化マンガン」 500g 粒状 粒の大きさ2~20mm 8-615-1499 R8119 2843円 協和純薬
 スマートスクールでも同じ物が購入できます。
・三角フラスコ(300mL ハリオ) ・ゴム栓(黒No.11)  ・シリコンチューブ  ・ガラス管
・安全ろうと
 使わなくてもかまいません。サイボックス(ナリカ)などで購入できます。1430円 安全ロートの使い方は、このページの最後 


【実験方法】
※ 18×18の試験管に6本取る内容になっています。ただし、1本目は空気が混ざっているために取り直すので7本分発生させることになります。
1 三角フラスコに3.0gの二酸化マンガンを入れる。
 3.0gの二酸化マンガンは、2.5mLの計量スプーンにすり切り1杯程度である。計量スプーンではかりとって各班に配付すると時間が節約できる。すりきり棒は使わない方がやりやすい。(下写真参照)
2 5%のオキシドールを40mL用意する。まず、10mLを三角フラスコに入れる。気体が出なくなったら10mLずつ加える。
3 1本目は空気が混ざっているので取り直す。
4 合計6本集めて、1本目は色とにおい、2本目は可燃性、3本目は助燃性、4本目と5本目はリトマス紙、6本目は石灰水で調べる。BTB溶液で調べるときは、合計5本集めて、1本目は色とにおい、2本目は可燃性、3本目は助燃性、4本目はBTB溶液、5本目は石灰水で調べる

 


[安全ろうとの使い方]
 一般的には活栓付ろうとを使うことが多いようですが、私は安全ろうとを使っています。
 安全ろうとは、足が上下方向に一回転した形状のろうと。この部分に試薬がたまることで、実験の際に発生した気体がろうとへ逆流するのを防ぎながら安全に実験できます。活栓付ろうとの場合、活栓を操作しないといけませんが、その必要がなく、液体を追加して入れるのが容易です。


ここまで書くと安全ろうとって素晴らしいと思うかもしれませんが、使い方の点においては注意すべき点・不便な点もあります。

[安全ろうとを使うときの注意点]
① 水上置換法で気体を捕集するときに、丸形水槽に入れる水の深さを4cmにする必要があります。水の深さが5cm以上あると、水圧に負けてしまって、気体がろうとのほうへ上がってきてしまいます。私は丸形水槽の下から4cmと8cmのところに3M(スリーエム)のマスキングテープで印をつけています。安全ろうとを使わないときは8cmまで水を入れます。(下写真参照)
 水が4cmだと水中でゴム栓をするのが難しくなりますが、ゴム栓を小さい方を上にして沈めておけば、試験管をかぶせるようにして、水中でゴム栓をはめることができます。この方法は、他の気体を捕集するときも便利です。理化ウチダスで18×18の試験管を購入する場合、「日電理化硝子 試験管(NGC製リム付き)50本 5550円」と「IWAKI 試験管(リム付)50本 5000円」が選択できます。同じ18×18の試験管ですが、日電理化硝子の方が内径が大きいので、ゴム栓がはめやすいです。IWAKIでもできないことはありませんが、少し難しくなります。なお、IWAKIの試験管は肉厚が熱いので、丈夫で加熱時の変形に強いという長所があります。


② 液体をろうとに入れるときは、ガラス管の先を丸形水槽の水から出すようにする必要があります。そうしないと水圧の関係でうまく入ってくれないことがあります。特に液体をつぎ足して入れるときには、すでに発生した気体の圧力があるので、そうしないと入りません。このことは活栓付ろうとでも同じだと思います。
③ 市販の2穴あきゴム栓が使えません。市販の2穴あきゴム栓は穴の大きさが6mmのガラス管に対応しています。安全ろうとの足は一般的には8mmなので入りません。そのため、ゴム栓を自作する必要があります。ゴム栓に穴を開けるためには次のドリルが使いやすいのでおすすめです。
 「スターエム 竹用ドリル」(STAER-M) 日本製。1063円  品番は6mmが601-060、7mmが601-070、8mmが601-080 になっています。 竹の他、木、アクリル、塩ビ、硬質ゴムにきれいに穴を開けることができます。 特にアクリルに穴を開けるときは、割れずに穴を開けることができて素晴らしいです。ゴム栓に穴を開けるときは、6mmのガラス管には6mm、8mmのガラス管には8mmのドリルが適しています。 同じ製品ですが、以前は「ゴム用ドリル」の名前で販売されていました。(下写真)
④ 安全ろうとの足の先は中の液体に付かないようにします。中に入れた液体が多くなってくると付く場合がありますが、それは問題ありません。ろうとの足が汚れるだけなので、基本つけないようにします。