5 アンモニア


※ アンモニアの作り方のポイントは、①塩化アンモニウムと水酸化カルシウムは少量でよいこと、②事前に混合したものを配付すること です。
 準備がめんどくさいイメージがありますが、できるだけ簡単に準備・実験ができるように工夫しています。


【準備物】
・塩化アンモニウム  
 スマートスクールで購入できます。500g 3564円
・水酸化カルシウム
 スマートスクールで購入できます。500g 3344円
・試験管(18×18) ・穴あきゴム栓(No.2)  ・ガラス管
・計量スプーン(1mL)または(2mL)
・PP製粉末ロート 仕様型番:No.171 口径60mm 足外径15mm 309円 アマゾンで購入 (足外径が15mmなので18×18の試験管にピッタリです。試験管にさっと粉末を入れることができて時短になります。) 


【実験方法】
※ アンモニアの一番の特徴はにおいです。4人班の場合、試験管に4本捕集して、一人ずつにおいを確認させるようにしています。以下の内容は、10班に4本ずつ捕集させる内容になっています。
1 塩化アンモニウム4gと水酸化カルシウム4gを100mLビーカーに入れて薬品さじで混ぜる。混合物は合計8gになる。
2 混合物から1mLの計量スプーンですり切り一杯取ると0.6g程度になる。すくい取った混合物を試験管に入れ、ゴム栓で蓋をしておく。10班だと0.6g×10=6gとなる。2g程度余るが、手早くつぎ分けるためにはある程度余裕を持って作っておく必要がある。
-------こまでは教師で行う。-------
3 ガラス管付きゴム栓をして、混合物をガスバーナーで加熱する。
4 アンモニアが発生してくるので、乾いた試験管に上方置換法で集める。赤色リトマス紙が青くなったら次の試験管と取り替える。
5 4人班の場合、4本集めたら火を消す。加熱をやめるとアンモニアの発生が止まります。
6 一人ずつ、手で仰ぐようにして、においを確認する。


【その他】
 塩化アンモニウムと水酸化カルシウムを混ぜるところまでは教師で行う。それは、混ぜただけでアンモニアが発生するので、教室が騒がしくなるし、においの実験をする必要がなくなってしまうからである。また、生徒に混合させるようにすると、薬品を別々に計りとって配付する必要が出てくるので、手間がかかる。
 混合物を1g試験管に入れると6本捕集することができる。2.5mLの計量スプーンにすり切り一杯で約1gになる。
 混合物を2g試験管に入れると、1クラスが4本捕集した後で、次のクラスが4本捕集することができる。(1クラス目は、捕集したらすぐ火を消すようにする。)


[アンモニアの噴水実験]
アンモニアは水に大変よくとけるので、その性質を利用して噴水を作る実験がよく行われる。
1 下図のような実験器具を用意する。
2 太い試験管に、10%のアンモニア水を約10mL入れ、ガスバーナーで加熱するとアンモニアが発生してくる。(沸騰石も入れておくこと。)
3 フラスコにアンモニアが一杯になったことは、においで確認する。手で仰いでかなり強くにおいがするまで待つようにする。リトマス紙の色が変わるのを目安にすると、フラスコに十分にアンモニアで満たすことができない。


3 フラスコに十分にアンモニアが集まったら、下のようなガラス管付きゴム栓をする。
 スポイト(シリコン製ゴム帽)を取り付ける部分は、ビニールチューブ等を差し込んで太くしておくとよい。(下写真参照)
 噴水に勢いをつけるため、ガラス管の先を細くする必要があるが、ガラス管を加熱して引き延ばすとガラスがうすくなり破損しやすくなる。そのため、ガラス管の先を回転させながらガスバーナーで加熱するようにする。そうすると、だんだん穴が小さくなってくるので、頃合いを見てやめる。このことで、ガラス管の先の穴が小さくなり、かつ丈夫になる。(下写真参照)スポイトをつける方のガラス管の先も同様にして穴を小さくしておく。


4 スポイト(シリコン製ゴム帽)に水を満たしてガラス管に取り付ける。次にゴム栓をフラスコに取り付け、ガラス管の先をフェノールフタレインの入った水槽につける。
5 フラスコ内にスポイト内の水を入れると、その水にアンモニアがとけ、フラスコ内の気圧が小さくなる。そのため、水槽の水を吸い上げて噴水ができる。吸い上げた水にアンモニアがとけるので、次々に水が上がってきて、フラスコの大部分(3分の2以上)が水で満たされることになる。