地学04 地層のでき方の実験
地層のでき方の実験です。よく行われる実験ですが思ったようにきれいにできないことも多いのではないでしょうか。
この実験装置では、礫、砂、泥の三層になったものを三段に作成できます。また、砂と泥だけを使用し、砂と泥の互層を作成することもできます。
この実験装置のポイントは、透明ホースを使用しているところです。透明ホースにゴム栓を裏返しでさすと、水が漏れません。また、極少量の土砂で実験できますので、実験後の土砂の後片付けも楽にできます。
注:このページの内容は小学校の実験用になっています。中学校の場合、泥岩と砂岩の互層を作る実験のほうが適していると思います。詳しくはこのページの最下部を参照。
【準備物】
透明ホース(内径18mm、外形22mm、長さ50cm)ホームセンターなどで購入できる。
ろうと(100均のスピードロート)ろうとに土砂が残りにくい角度が急な形状のものがよい。
ゴム栓(黒No.2) 緩いときは赤のNo.3にする。
角材(桧工作材 7mm×7mm×500mm)
ビニールテープ(透明)
との粉(カンペハピオ 赤 200g 516円)
砂(コメリ セメント用 砂 20kg 218円)
礫(茶砂利 7厘(2~3mm) 5kg (水槽用底砂利)1,980円 アマゾンで購入)
【実験装置の作り方】
1 透明ホースに角材をビニールテープで取り付ける。(これは、ホースをまっすぐにするためです。自在ばさみを2個使ってスタンドに取り付ける場合には必要ありません。)
2 上端にスピードろうとを差し込む。
3 下端にゴム栓を裏返しで差し込む。太い方から差し込むと抜けにくく、水も漏れなくなります。ただし、深く差し込みすぎると抜けなくなるので半分程度にすること。(下図参照)
4 装置をスタンドに取り付ける。(下図参照)
【実験方法】
1 透明ホースに30mLの水を入れる。
2 泥:砂:礫 =1:5:5 で混ぜ合わせた土を作る。
3 2で作った土をプラコップに大さじすり切り一杯(約17g)入れた後、30mLの印まで水を加える。(プラコップに印をしたものを作っておく。下図参照)
4 3の泥水を、実験装置にザバッと一度に入れる。
(注1)コップをくるくる回してよく混ぜてから、すぐに入れる。
(注2)コップにはできるだけ残さない方がいいが、コップに残った土を遅れて入れることは絶対にしない。
5 6分程度で泥が沈む。(下図参照)
6 落ち着いたら2回目を行う。3回目まで泥水を投入できる。(4回目は上から水があふれてしまう。)
【その他】
・砂の層が極端に斜めになったときは、泥が沈んでいる時にホースを指でつまんで水平に直すことができる。
・上記の実践では、泥水を入れるようにしているが、土だけを入れて作ることもできる。その場合は、最初に入れる水は50mL程度がよい。土だけを入れた方が手軽できれいに地層を作ることができるが、乱泥流(洪水のときにできるような土砂を多量に含ん)をイメージするなら泥水の方がよいと思われる。
・個人的には、礫(水槽用底砂利)は7厘(2~3mm)のものがよいと思うが、1分(3~5mm)のものでもできる。その場合、1回目は大変きれいにできるが、2・3回目は礫が泥に埋まってしまう傾向がある。7厘と1分のどちらがよいかは、好みの分かれるところであると思う。下の写真は1分の礫を使用した場合である。
注:このページの内容は小学校の実験用になっています。中学校の場合、泥岩と砂岩の互層を作る実験のほうが適しているため、泥と砂のみで実施するとよいと思います。その場合、運動場の砂場の土を取ってきて、中目のふるいをかけて、れきやゴミを取り除いたもので十分に実験できます。運動場の砂場の土には泥が混じっていますので泥を入れる必要はありません。